唐突に「仕事をやめたい!」と考えたことのないサラリーマンはいないでしょう。
自営業者についても然りです。
しかし後先考えずに仕事を放り出してしまうと、その先に待っているのは破滅でしかありません。
ここはよくよく考えなければいけないでしょう。
最近では定年退職を待たずに退職する人も珍しくありません。
そういう人たちはどのような生活設計をしているのでしょうか。
そこで昨今よく聞くようになった「セミリタイア」についてご紹介したいと思います。
リタイアとの違いやそれによって得られるものと失うものについて解説しましょう。
成功するための秘訣もお教えしますから、仕事から開放されたいと願う方は参考になさってください。
セミリタイアとは
とりあえず「セミリタイア」とは何かから見なければならないでしょう。
「リタイア」とは何が違うのか、また「早期優遇退職制度」との絡みはあるのかどうかなど、チェックをしなければなりません。
まずは「セミリタイア」の定義から。
定義
セミリタイアとは完全に仕事を辞める(リタイア)のではなく、負担にならない程度の仕事に就いて多少の収入を得ながら、自分のための時間を確保する働き方のことを指します。
一般的には定年退職する前にフルタイムの仕事を辞め、労働時間が少ない仕事に就いて、その収入と貯金で生きていくというライフスタイルのことです。
日本ではセミリタイアをする人はまだ多くありませんが、アメリカなどでは20代、30代といった若い世代にも広がっています。
背景には技術の進歩によりAI(人工知能)などが多くの業務を請け負うようになったり、自由な生き方を望む人が増えているといったことがあります。
早期優遇退職制度とは
早期優遇退職制度とは、定年退職を迎える前に退職することで、退職金が上乗せされるなど優遇される制度のことです。
定年退職との違いは定年よりも早い退職であることや、定年退職よりも退職金が優遇されること、あるいは雇用者の意思により退職時期を決められることなどが上げられるでしょう。
早期優遇退職制度が導入された背景には、1990年代に団塊の世代が50代に差しかかったことがあります。
各企業が若返りを図るためや、同時に定年退職となることへの負担の軽減などが理由として上げられます。
しかし2013年に高年齢者雇用安定法が改正されます。
これにより定年を64歳以下としている企業は、継続雇用を希望した人には65歳まで雇用継続とすることが義務づけられました。
今後は早期優遇退職制度も変わっていくかも知れません。
高年齢者雇用安定法の改正を機会に、定年の年齢を雇用者が決められるようにした企業もあります。
また定年退職も早期退職も完全に仕事を辞める点では共通しています。
得られるもの
セミリタイアによって得られるメリットは以下のようなものがあります。
1:自分のための時間
2:激務からの開放
3:物価の安い国に移住すれば裕福に暮らせる
順に見ていくことにしましょう。
1:自分のための時間
セミリタイアをすれば平日でも自由な時間が得られます。
自分の趣味に打ち込むことが出来るのが最大のメリットでしょう。
セミリタイアですから、仕事の時間がゼロになるわけではありませんが、フルタイムよりもはるかに自分のための時間が増えるのは確実です。
2:激務からの開放
仕事に忙殺されている方は激務からの開放というのも大きいでしょう。
休みもままならないような職場では、体を壊してしまう危険性があります。
健康的な生活を送るためには、ワークライフバランスはとても大事なことです。
3:物価の安い国に移住すれば裕福に暮らせる
セミリタイアの場合、優雅な生活を送るのは困難なことかも知れません。
しかし物価の安い国に移住をすれば裕福に暮らせるかも知れません。
もちろん語学の問題などはありますが、日常会話程度ならなんとかなるものです。
失うもの
セミリタイアによって得られるものはありますが、同時に失うものもあります。
セミリタイアのデメリットは、以下のようなものがあります。
1:仕事は続けなければならない
2:収入は低下する
3:再就職が困難になる
順に見ていくことにしましょう。
1:仕事は続けなければならない
セミリタイアはリタイアではないため、仕事を続ける必要があります。
もちろんフルタイムの仕事ではありませんから、色んな意味で負担は軽減されます。
もし完全に労働から開放されたいのであれば、定年退職か早期優遇退職制度を利用することになります。
2:収入は低下する
フルタイムの労働ではないので、当然ながら収入は低下することになります。
その代わり自分の時間が増えるわけですから、トレードだと考えるべきでしょう。
もし収入を維持したいのであれば、セミリタイアは考えない方がいいでしょう。
3:再就職が困難になる
一度セミリタイアをすると、フルタイムで働きたいと思っても、再就職が困難な場合があります。
もちろん職種により異なりますが、多くの場合、正社員の雇用は35歳以下としている企業が普通です。
そうなると40代、50代でセミリタイアした人は、雇用の対象外ということになります。
日本ではまだまだ同一労働同一賃金の考え方が浸透していません。
セミリタイアをする場合はこのことも考慮に入れるようにしましょう。
成功するための秘訣
セミリタイアに成功するためには、まずは資金を用意しておくべきでしょう。
退職金の他に1000万円程度の貯金があるというのが理想です。
また不労所得を確保するのもいいと思います。
具体的には株式投資などですが、これは人によっては不向きな場合もあるので、よく考えてください。
なにか実用的な資格を取得するのもいいでしょう。
何事も成功するためには入念な下準備が必要です。
後先考えずに会社を辞めるような真似だけはしないでください。
アーリーリタイアとは(参考)
アーリーリタイアとは若いうちに資産を形成して、余生はその資産によって暮らすというライフスタイルです。
定年退職を大幅に前倒しするようなもので、多くの場合30代で実践することになります。
セミリタイアは労働が前提になりますが、アーリーリタイアは労働から完全に開放されます。
ただし老後までの資金を用意しなければなりませんから、そのハードルは極めて高いと言えます。
日本でアーリーリタイアをした方は、まだまだ少ないのが現状です。
終わりに
以上、セミリタイアについて見てきました。
理想なのはアーリーリタイアかもしれませんが、誰しもが出来るわけではありません。
現実的なのは早期優遇退職制度を利用して人より早めにリタイアすることでしょう。
リタイアしてからパートやアルバイトを始めれば、セミリタイアということになります。
人生が100年に近づきつつある今、ライフワークバランスを考えることは、とても大事なことではないでしょうか。
コメント